ティー・ロウ・プライス・ジャパン、退職後の生活に向けて行う資産形成に関する初のグローバル調査結果を発表

米国メリーランド州ボルティモアを本拠に世界16ヵ国で投資運用サービスを展開し、アクティブ運用において業界をリードするグローバル資産運用会社、ティー・ロウ・プライスの日本法人ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社は2025年12月8日、退職後の生活に向けて行う資産形成に関する初のグローバル調査結果を発表した。
「2025年 老後資産形成に対するグローバル意識調査 – Global Retirement Savers Study」では、退職後の生活に備えて資産形成を行う世界の個人投資家(退職貯蓄者)のうち、定年後も少なくともパートタイムで就業する意向を持つ人が約34%に上ることが明らかになった。米国ではこの傾向が特に顕著で、37%が定年後の就業を見込んでいる。同社は、米国や香港を中心とした「定年後の再就業(アンリタイア)」の動向を継続的にモニタリングしている。
この調査は、米国、日本、オーストラリア、カナダ、英国の5ヵ国において、退職後の資産形成に取り組む7,000名超の退職貯蓄者を対象に実施した。回答者の50%が「2026年半ばまでに景気後退が起きる」と予想し、主要な懸念事項としてインフレ(42%)、地政学リスク(30%)、金利(27%)を挙げている。さらに、17%が「退職後に資金が不足する可能性がある」と認識しており、定年後に大きな金融ショックが生じた場合でも耐えられると高い自信を持つ人は27%にとどまった。
グローバル・リタイアメント・ストラテジストのジェシカ・スクラファニ氏は次のように述べている。
リサーチは当社のすべての取り組みの核となるものです。世界の退職貯蓄者のニーズの変化を捉えることで、求められる支援を適切に設計することが可能となります。平均寿命の延伸、金融・経済の不確実性、変化する退職後への期待により、退職は固定された到達点ではなく、ライフステージに応じて見直しが必要な継続的なプロセスへと変化しています。こうした意識の変化を解明することで、経済的安定、自信、そして将来に対する前向きな見通しを高める戦略・ソリューションの提供につなげることができるのです。
調査結果ハイライト:
- 経済見通しは地域で大きく相違。日本とカナダでは悲観的な見方が強く、それぞれ62%および56%が景気後退を想定。一方、米国、オーストラリアおよび英国では比較的楽観的な見方が多く、近い将来の景気後退を見込む割合は半数未満。
- 退職に関する自信は世界的に低水準で、男女差が顕著。定年後に「現役時と同等以上の生活水準を維持できる」と考える人は全体の31%。日本・オーストラリアでは悲観的な見方が強く、英国では相対的に楽観的見方が高い。男女差も明確で、特に単身女性は、男性に比べ退職への自信が著しく低い。オーストラリアでは、男性の31%が高い自信を示す一方、女性は15%にとどまる。
- 定年後への期待感は、金融面の自信と準備状況に相関。世界全体で約3分の1が定年後を「楽しみにしている」と回答。こうした楽観的な見方は、比較的高収入の層や既婚者で顕著(既婚39%/単身30%)。自身の資産目標の達成に向けた進捗を実感している割合も、楽観的な層で約2倍。
- 主要な相談先は職場由来のリソースと人的アドバイザー。世界の退職貯蓄者が頼りにしている相談先上位4つのうち3つが企業年金制度・福利厚生・従業員向け金融教育等の職場関連で、米国でその傾向が特に強く見られる。一方、日本の回答者は他地域に比べ、自己判断・自己運用志向が相対的に強い傾向。デジタルツールが普及するなかでも、対面による人的アドバイザーは依然不可欠で、退職給付制度の記録管理機関(レコードキーパー)と並び、世界で最も信頼される助言源となっている。
グローバル・リタイアメント・ストラテジー統括責任者のマイケル・デイビス氏は次のように述べている。
当社はグローバルでの事業拡大に際し、獲得した知見を具体的な施策へと転換することに注力しています。本調査による知見は、当社のソリューション開発の指針であると同時に、雇用主、運用受託機関ならびに政策当局とのパートナーシップの在り方を導くものです。当社が事業を展開するすべての地域において経済面での自信を強化し、より良質な退職後の生活の実現に貢献してまいります。









