
モーニングスター・ジャパンは、「アクティブ・パッシブ・バロメーター日本版 2025 年〜日本株アクティブ・ファンドの勝率が上昇〜」を発表した。「アクティブ・パッシブ・バロメーター」ではアクティブ・ファンドを、運用費用が考慮されない指数自体ではなく、指数に連動するインデックス・ファンドと比較し、その実力を評価する。実際に投資可能なファンド同士を運用費用控除後の実績で比べ、平均的なアクティブファンドが、平均的なパッシブファンドに対してどのような成果を上げているかを検証する。
→「アクティブファンドとは?」(投信まるごとQ&A)
→「インデックスファンドとは?」(投信まるごとQ&A)
今回公表された「アクティブ・パッシブ・バロメーター日本版 2025 年〜日本株アクティブ・ファンドの勝率が上昇〜」では、日本籍の約1,600本(2025年6月時点)の投資信託に対し、モーニングスター・カテゴリ毎にアクティブ・ファンドとインデックス・ファンドのパフォーマンスをもとに、アクティブ・ファンドの勝率などを分析している。
主なポイント
- アクティブ・ファンドは過去 1 年(2024 年 7 月から 2025 年 6 月)において、様々な結果を示した。日本株式などの一部のカテゴリでは勝率が大幅に上昇した一方、世界株式などの資産クラスでは依然としてアクティブ・ファンドにとって厳しい状況が続いている。
- 国内株式・大型ブレンド型のアクティブ・ファンドの 1 年の勝率が前年から約 25ポイント上昇し 65%となるなど、勝率は大きく改善した。日本株式のカテゴリ内のアクティブ・ファンドの多くがインデックス・ファンドよりも中小型株を多く組み入れる傾向があり、過去 1 年間では中小型株のパフォーマンスが大型株を上回ったことが、勝率上昇の主な要因となった。
- 米国および海外株式のアクティブ・ファンドは、前年から勝率はわずかに上昇傾向を示したものの、5 年および 10 年の計測期間では概ね 20%を下回っており、これらの先進国株式市場の効率性と競争の激しさを反映している。一方で、1 年の期間では世界株式型および世界株式(除く日本)型で勝率が改善した。これは市場の変動性が高まった時期にアクティブ・ファンドが米国株式への配分を抑えたことが一因である。なお、国内の運用会社が運用する米国株式や海外株式のアクティブ・ファンドは、自社で運用を行うのではなく海外の運用会社に再委託することが多い。これにより運用費用が高くなり、インデックス・ファンドを上回る可能性が低下している。
- 債券型のアクティブ・ファンドの 1 年の勝率は約 50%と高い水準を維持している。近年、債券型のアクティブ・ファンドの多くは金利環境の変化に効果的に対応していることから、株式型と比較して一貫して高い勝率を示している。なお、外国債券・米国型(円ヘッジ)では 1 年の勝率が 100%となったが、この主な要因は、短期債券指数に連動するインデックス・ファンドの選択肢が限られていることである。
- 日本では、株式型のファンドの過去 10 年の償還率が 50%に達した。これは、償還されにくい株式型ファンドを選択することの重要性を示している。日本のファンドは信託期間が有期限であるものが多く、運用成績が良好であってもファンドが償還される場合がある。従って、投資家は自身の投資期間を上回る信託期間を有するファンドを選択することが賢明であろう。







