コムジェストのグローバル・エマージング株式戦略について

2016年9月28日にフランスの独立系運用会社コムジェスト・グループの日本法人であるコムジェスト・アセットマネジメント株式会社がセミナー「コムジェスト・グローバルエマージング市場株式/日本株式戦略の見通し」を開催しました。
同セミナーは、コムジェストの運用するファンドが、格付投資情報センター(R&I 社)主催の 「R&I ファンド大賞 」の 確定給付年金部門において、国内株式グロース、および 外国株式エマージングの両部門にてファンド大賞を受賞したのを記念して開催されたものです。なお、同社は2016年8月31日に、日本コムジェスト株式会社からコムジェスト・アセットマネジメント株式会社に社名変更を行いました。なお、コムジェストについては、2015年の記事をご覧ください。
コムジェストの運用資産は2015年6月末の約216億ユーロから2016年6月末には約230億ユーロに増加しています。資産の内訳は、エマージング市場が全体の約58%を占める約133億ユーロ、先進国市場が約70億ユーロ、グローバル株式が約26億ユーロです。なお、コムジェストの運用資産は株式のみで、債券等への投資は行っていません。
コムジェストのポートフォリオ・マネージャー/アナリストのエミール・ヴォルター氏によると、同社の投資アプローチはクオリティ・グロース投資哲学を基本としています。つまり、質の高い銘柄と長期的に成長できる銘柄を厳選して、重点投資を行うというものです。ここで言う、重点投資とは、ポートフォリオに組み入れる銘柄の数を40から50銘柄程度に抑え、これらの銘柄に集中的に投資を行うことを意味します。
コムジェストのクオリティ・グロース投資哲学の背景にあるのが、同社の投資に対する次の信念です。
- 長期的には、企業のファンダメンタルズがその株価を決定し、株価の成長性はEPSの成長性に収斂していく。
- 継続的な競争上の優位性を有し、優れた利益成長を持続できるビジネスに関して、市場は必ずしも正しい評価をしているとは限らない。
- 高い投下資本利益率を伴った持続性のあるEPS成長は、平均以下のリスクで優れた投資収益を上げることに繋がる。
2008年1月1日に設定されたコムジェストのグローバル・エマージング市場株式戦略のパフォーマンスを見ると、次のように参考指数であるMSCI Emerging Markets-NR(円換算)をアウトパフォームしています。
過去3カ月
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年初来
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過去1年
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過去3年(年率)
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過去5年(年率)
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設定来(年率)
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グローバル・エマージング市場株式戦略 | -7.15 | -10.97 | -25.46 | 5.16 | 5.76 | 0.22 |
参考指数 | -8.12 | -9.25 | -26.27 | -0.50 | 0.93 | -3.23 |
(セミナー配布資料より)
エマージング市場株式の今後についてのエミール・ヴォルター氏の見解は次のとおりです。
- エマージング市場は世界経済の中でも特に活気溢れる市場だが、他の地域よりも景気変動の影響を受けやすい傾向が見られる。そのため短期的にリスクが高まる可能性は否定できないものの、エマージング株式は現在、長期投資家に対し投資対象としての妙味を提供していると考える。
- 企業の収益成長の鈍化が世界的な趨勢となっているが、エマージング株式はもはや先進国株式に見劣りする存在ではなく、相対リターンも改善し始めている感がある。一方、バリュエーションや市場心理の動きからは、エマージング株式に対する投資家の関心が、6年振りに回帰している様子が読み取れる。
- 世界の株式市場では、今後も「非伝統的金融政策の動向が投資リターンを大きく左右する」という2009年以来の構図が続く見通しだが、コムジェストの戦略においては、EPS(1株当たり利益)に着目し、そのEPSの成長率が(過去平均と比べて低水準であったとしても)市場平均を上回る銘柄を組み入れることによって、他を凌駕するパフォーマンスを維持できると考える。
- コムジェスト・エマージング市場株式戦略の組入銘柄は現在、ROAやROEこそ先進国株式に比べ低水準に映るが、EPS成長率では短期・長期を問わず先進国株式に匹敵する高さを維持しており、一方で株価バリュエーションは大幅に割安な水準にある。
コムジェストは、投資信託協会の会員ですが、日本の投資家が直接的に購入できるファンドはなく(2016年9月末現在)、主に独立系の運用会社がファンド・オブ・ファンズ形式でコムジェストのファンドを組み入れています。
【コムジェストのファンドを組み入れている投資信託と組み入れファンド】
ありがとうファンド(運用会社:ありがとう投信)
- ニッポンコムジェスト・ヨーロッパ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
- ニッポンコムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
コドモファンド(運用会社:クローバー・アセットマネジメント)
- コムジェスト・グロース・アメリカ(アイルランド籍USドル建外国投資法人)
- ニッポンコムジェスト・ヨーロッパ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
- ニッポンコムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
浪速おふくろファンド(運用会社:クローバー・アセットマネジメント)
- コムジェスト・グロース・アメリカ(アイルランド籍USドル建外国投資法人)
- ニッポンコムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
らくちんファンド(運用会社:クローバー・アセットマネジメント)
- ニッポンコムジェスト・ヨーロッパ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
- ニッポンコムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
かいたくファンド (運用会社:クローバー・アセットマネジメント)
- コムジェスト・グロース・アメリカ(アイルランド籍USドル建外国投資法人)
- ニッポンコムジェスト・ヨーロッパ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
- ニッポンコムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
セゾン資産形成の達人ファンド(運用会社:セゾン投信)
- コムジェスト日本株式ファンド(適格機関投資家限定)
- ニッポンコムジェスト・ヨーロッパ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
- ニッポンコムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンドSA(適格機関投資家限定)
ユニオンファンド(運用会社:ユニオン投信)
- ニッポンコムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンドSA(適格機関投資家限定)