インベスコ、2025年後期のグローバル市場見通し「ザ・グローバル・リセット」を発表

インベスコ・アセット・マネジメント株式会社は2025年後期のグローバル市場見通し「ザ・グローバル・リセット」を発表した。
2025年後期のグローバル市場見通し「ザ・グローバル・リセット」では、世界の政治・経済情勢は急速に変化しており、貿易関係や政治的同盟関係が世界中で大きく再編されつつあると述べている。
2025年前半には世界中の市場で不確実性を示す指標が急上昇した。インベスコでは、依然として、関税率がどこに落ち着くか、金利変更の正確なタイミング、具体的なインフレ率や成長率の見通しなど、正確な予測をしようとすることに対して慎重に構えながら、いくつかの重要なトレンド、マクロ要因そして市場が向かう方向性について、より確信が持てるようになってきたと考えている。 具体的には、関税率は過去数十年よりも高くなり、米国への移民は減少すると予想され、その結果、年初時点の予想に比べて2025年の米国の成長率は鈍化し、インフレ率は上昇する可能性が高いと想定している。一方、関税問題が予想より良い形で解決されたり、期待される規制緩和がプラスの影響をもたらした場合、米国市場は引き続き上昇する可能性があるとみている。
こうした前提の下、レポートでは今後の見通しとして3つのシナリオを紹介している。基本シナリオとしては、「米国以外の資産の魅力が高まっている」として、米国の国内政策のボラティリティと不確実性が2025年の残りの期間も続く可能性が高く、米国の関税は数十年来の高水準にあるものの、「解放の日」に当初発表された水準を大きく下回り、米中貿易関係は徐々に改善していくとみている。 こうした複合的な影響により、米国経済については、緩やかに減速する可能性が高いものの、減税の延長と規制緩和が追い風になる可能性があると考えている。また、欧州と中国へのディスインフレ圧力は、政府と中央銀行が国内経済への刺激策を取ることを可能にするものと見ている。日本については、日本銀行の追加利上げは、2025年末または2026年初頭まで延期される可能性があるものの、時間の経過とともに追加引き締めが実施されると予想しており、引き続き円相場を支える要因となるとみている。
不確実性が継続し、さらなるサプライズの可能性もあることから、同レポートでは地域および資産クラス全体にわたる幅広い分散投資を推奨している。株式については、米国内での低ボラティリティ、クオリティ、高配当を選好する一方で、大型株へのエクスポージャーは抑制する。米国以外の株式は、欧州およびアジア株式を筆頭に、年内を通してアウトパフォームすると予想している。債券については、米国を除くグローバル債券と現地通貨建ての新興国債券を選好する。 ほとんどのクレジットセクターを小幅アンダーウェイトとし、ポートフォリオのリスクテイクには慎重なアプローチを推奨する。下振れリスクの高まり、株式の割高なバリュエーション、そして資本市場の良好な動きを踏まえ、オルタナティブ資産のリスクについては中立を維持する。この分野では一般的にディフェンシブな戦略を採用し、プライベート・エクイティよりもプライベート・クレジットとヘッジ戦略を選好する。通貨については、米国資産からの広範な資金配分の転換が米ドル安を引き起こし、ユーロやポンドといった主要先進国通貨を選好する方向に導く可能性があるとみている。
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