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さわかみ投信副社長熊谷幹樹氏と元研究顧問櫃割仁平氏による共同論文、『Journal of Neuroscience, Psychology, and Economics』に掲載

さわかみ投信株式会社の取締役副社長・熊谷幹樹と当社元研究顧問・櫃割仁平氏による共同論文が、米国心理学会発行の学術雑誌『Journal of Neuroscience, Psychology, and Economics』に掲載された。さわかみ投信によると、同誌は心理学と経済学の融合に興味がある研究者や実務家にとって、非常に魅力的な情報源であり、これまであまり明らかにされていなかった投資経験の有無とウェルビーイングの関係性について、新たな視点を投げかける内容となっている。

論文概要

投資経験の有無と投資対象が、人生満足度や生きがい等の心理的ウェルビーイングに与える影響を検証するもの。検証にあたっては4つの投資行動グループに対し、5つの心理的項目について測定した。

【4つの投資行動グループ】
1. 長期株式投資家 (長期投資を前提としたファンドへの投資家)
2. 一般的な株式投資家
3. 暗号資産投資家
4. 非投資家

【5つの心理的項目】 【各項目の指標】
a. 長期志向性 長期志向性
b. 人生満足度 人生満足度
c. 生きがい(人生の価値) 楽観的感情、将来への前向きな姿勢、存在意義
d. ポジティブな感情 喜び、満足感、誇り、愛、思いやり、驚き、畏敬の念
e. 曖昧さに対する態度 曖昧さへの不安、絶対主義、目新しさや複雑さへの欲求

検証結果と考察

投資家群の方が非投資家群よりも高い人生満足度と生きがいを示すことが明らかになった。

測定した心理的項目のうち「b.人生満足度」と「c.生きがい(人生の価値)」に関して、投資家群の方が非投資家群よりも高い数値を示した。その理由として、次の3つの可能性が考えられる。第1に、投資による将来の経済的安定性への期待が、現在の心理的ウェルビーイングを高めている可能性がある。第2に、投資という行為自体が、人生における目的意識や自己効力感を高め、単なる経済的利益を超えた意味づけがなされている可能性を示唆している。第3に、投資を通じた社会(企業)との繋がりの認識が、ウェルビーイングに寄与している可能性がある。

投資経験は満足感、誇り、畏敬の念といったポジティブ感情とつながりがあることが示唆された。

測定した心理的項目のうち「d.ポジティブな感情」に関して、「満足感」、「誇り」、「畏敬の念」の3つの指標において、投資家群の方が非投資家群よりも高い数値を示した。この3指標はいずれも達成や成長に関連した感情であり、投資経験がこのようなポジティブ感情とつながりがあることを示唆している。

特定の投資行動は特定のポジティブ感情と連動する可能性が示唆された。

「d.ポジティブな感情」の測定において、長期株式投資家グループでは「満足感」の指標が高い数値を示し、暗号資産投資家グループでは「誇り」の指標が高い数値を示した。このことは、特定の投資行動が特定のポジティブ感情と連動する可能性を示唆している。

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