ひふみクロスオーバーpro、第4社目の未上場企業に投資

投資信託「ひふみ」シリーズを運用するレオス・キャピタルワークス株式会社は、未上場企業と上場企業に投資をする投資信託ひふみクロスオーバーproにて、4社目の未上場企業、イノバセル株式会社へ投資したと2025年5月14日に発表した。
→「クロスオーバーファンドとは?」(投信まるごとQ&A)
投資先企業の概要
企業名 | イノバセル株式会社 |
事業内容 | 再生医療等製品の開発及び製造 |
企業HP | https://www.innovacell.co.jp/ |
イノバセルについて
イノバセルは2000年にオーストリアのインスブルック医科大学からスピンアウトして設立された細胞治療製剤の開発会社。2021年に三角合併を活用して日本に親会社を設立し、経営体制を整えて再スタートを切った。同社の患者自身の細胞を活用した主要パイプラインは、便失禁を対象とした外肛門括約筋の損傷・衰えへの治療が最も進んでおり、現在はグローバルでフェーズIIIの臨床試験が進行中。 その他にも尿失禁や別種の便失禁など、同社の技術は他疾患への応用も期待されている。全世界的な高齢化の進行に伴い、便失禁・尿失禁の悩みを抱える患者は今後も増加することが見込まれる。イノバセルはこのような社会的ニーズの高い疾患領域に対し、患者負担が相対的に少なく、豊富な臨床データに裏打ちされた技術で解決策を提供することを目指している。
ひふみクロスオーバーpro ファンドマネージャー藤野氏のコメント

この度、イノバセルに出資をさせていただくことになり大変嬉しく思っております。イノバセルへの投資を決めたのは、「ひふみクロスオーバーpro」の考え方、すなわち、上場・未上場を問わず社会に大きな価値をもたらす企業を応援するという姿勢にぴったり合っていたからです。イノバセルは、高齢化社会で深刻化する便失禁や尿失禁といった課題に対して、自分の細胞を使った再生医療で根本的な解決を目指しています。薬や手術では対応しきれない悩みに、体への負担が少ない新しいアプローチを提供しており、これこそが社会に必要とされる挑戦だと感じました。たとえ今は未上場でも、時間をかけて育てていく価値があると判断し、「未来を信じて応援する」ひふみの投資哲学に基づいて、今回の出資を決めました。
藤野英人氏
イノビック・コーリン 代表取締役Co-CEO/シーガー・ジェイソン 代表取締役Co-CEOからのコメント

この度藤野さん、松本さん、戸田さんをはじめとするレオス・キャピタルワークスおよびレオス・キャピタルパートナーズの皆様とのご縁をいただき、「ひふみクロスオーバーpro」を通じた投資を受けることができたことを、心より光栄にまた有難く思っております。イノバセルは、便失禁や尿失禁を治療することを目指して、筋肉を再生する細胞治療製剤の研究開発を進めている企業です。医師並びに医療従事者の皆さま、そして患者さまのご協力の下、切迫性便失禁を対象疾患とする細胞治療製剤の第III相試験*(フェーズIII)を欧州及び日本において現在実施しております。現在治療の選択肢が限られている患者さまに新たな“希望”となる再生医療・細胞治療を届けることこそ、私たちイノバセルの使命です。今回いただいたご支援を糧として今後も果敢に挑戦を重ね、革新的な医薬品をグローバルにいちはやく届けられるバイオベンチャー企業を目指して努力してまいります。
左:ノビック・コーリン氏/右:シーガー・ジェイソン氏
*多数の患者さんを対象に、標準的な「薬」などと比較して有効性と安全性を確認する試験
代表取締役社Co-CEO ノビック・コーリン氏のプロフィール
1981年生まれ(44歳)、韓国出身、神奈川県育ち
米国コーネル大学卒業後、2007年にトーマツコンサルティング株式会社(現:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)に入社。金融領域とライフサイエンス領域でのコンサルティング業務に従事し、幅広いプロジェクト経験を積む。2010年に日興コーディアル証券株式会社(現:SMBC日興証券株式会社)へ転職し、企業情報部戦略開発課でライフサイエンス領域を中心に、様々な案件実施に携わる。2012年には、海外で開発された先端医療技術の国内導入促進と、国内で開発された優れた技術の海外展開支援を志し、特に再生医療分野に注力した薬事コンサルティング会社CJ PARTNERS株式会社をシーガー・ジェイソンと共に設立。同企業の代表取締役に就任し、数多くの規制当局対応案件、資金調達案件、そしてコンサルティング案件をリード兼実施をする。CJ PARTNERSに在籍している際、2016年から2022年までCMAX Clinical Research(南オーストラリア州アデレード市にある臨床試験実施施設)の取締役を兼任。2021年には、CJ PARTNERSのクライアント企業であったイノバセル株式会社の取締役に就任(翌年には代表取締役就任)し、以降、シーガー・ジェイソンと共に同社の臨床開発・事業開発の推進に従事。
代表取締役Co-CEO シーガー・ジェイソン氏のプロフィール
1982年生まれ(42歳)、香港出身、群馬県育ち
2007年に米国テンプル大学卒業後、トーマツコンサルティング株式会社(現:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)に入社。主に金融分野における戦略立案や業務改善に関するコンサルティング業務に従事し、幅広いプロジェクト経験を積む。2011年にSMBC日興証券へ転職し、ヘルスケア業界を中心に、企業価値向上に資する中長期経営戦略の策定やM&Aを含む各種コーポレートアクションの実行支援を担当。
2012年には、海外で開発された先端医療技術の国内導入促進と、国内で開発された優れた技術の海外展開支援を志し、特に再生医療分野に注力した薬事コンサルティング会社CJ PARTNERS株式会社をノビック・コーリンと共同設立。代表取締役に就任し、スタートアップから大手企業に至るまで幅広い顧客層に対し、規制戦略および事業開発の支援を提供。2021年には、CJ PARTNERSのクライアント企業であったイノバセル株式会社の代表取締役に就任。以降、同社の事業成長と国際展開を牽引している。